幸福とは何か?
金銭の多寡で幸不幸を推し量る限り、人は幸福にはなれません。
豊さとは何か? 本当の意味での豊かさとは何なのか。
本当の豊かさというのは、精神のありようです。
快楽、娯楽、悦び、ありとあらゆる楽しみを享受することです。
快楽を突き詰めていけば、
何でも自分の思い通りになる世界へとたどりつきます。
それが、極楽です。
その世界では、軋轢こそありませんが、
人情もなければ心もありません。そして、人は孤独になるのです。
人は幸福をお金であがなおうとします。
お金があれば幸福になれると信じています。
しかし、お金で買えるのは快楽であって、幸福ではありません。
快楽を幸福とするのなら不幸に、幸福を快楽とするから不幸になるのです。
では、本当の意味での幸福とは何か?
幸福とは自分自身と対峙することで、己の内側から溢れでてくるものです。
そして、万物や森羅万象と一体になるということなのです。
加えて、自我と宇宙との境界がなくなったときに、
あらゆる煩悩は消えて、キサナドゥへと辿りつくのです。
そのため、人は大いなる者や神を信じ、自己と対峙し、努力を積み重ね、
己を否定し、幸福とは何かと、思案するのです。
そして、人はこの果てしなき命題の解答を求めるのです。