グラスリップ 第13話 最終話 解釈
『グラスリップ』は青春群像劇アニメの名作である。
リアルタイムで視聴するのと、後からいちどきに見るのでは、
物語の印象が変わってしまうアニメであることには間違いない。
アニメ的解釈パターン
ゆきなり
「あいつ以外、哲学者の名前だろ?」
とうこ
「え!? じゃあジョナサンは?」
ゆきなり
「強いていうなら……冒険者?」
この場面の下りから、
「おきくらかける=冒険者」の構図が成り立つ。
そのため、すでに駆君がこの町からいないことがわかる。
物語の小道具であるテントが上手く生きている場面である。
テントの演出は旅立ちを表現し、
駆君の母親と共に海外に行ったことが示唆されている。
駆君がテントで生活するということは言わば「モラトリアム」をも表現している。
テントが無くなるということは、
人生の冒険の旅に出かけたと解釈するのが妥当である。
では、なぜ最後に透子は振り向いたのか、と考える読者も多いだろう。
それは、
透子が「駆君と一緒にいる未来を見ようとしたから」である。
小説的な見方で解釈をするのなら、
「駆≒ジョナサン」として見ても解釈ができるし、
透子がガラス玉を通してみていた妄想として物語を捉えてもいい。
しかし、上記のような解釈をするのが妥当ではないだろうか。
小説の方も近日中に販売されるので、
是非とも手にとって『グラスリップ』の世界観を深く味わいたいものだ。